SEOUL, SOUTH KOREA - JUNE 21: Actors Gong Yoo, Kim Su-An, Ma Dong-Suk (Ma Dong-Seok) Jung Yu-Mi, Ahn So-Hee, Choi Woo-Shik and Kim Eui-Sung attend the press conference for
こんなに面白いとは......。もっと早く見るべきだった。全編118分、一瞬たりとも飽きさせない。タイトル通り、基本の舞台となる高速鉄道の運転速度そのままに、ほんとに疾走し続ける展開の速さがたまらない。
もったいぶってしまった。ぼくが思わず感嘆した“高速運転映画”とは、本作が実写長編初となるヨン・サンホ監督によるパニックエンターテイメント映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』(2016年、以下、『新感染』)のことだ。本作を見ていないのに、これまで韓国映画について語ってきたとはまったく恥じ入りばかりではないか。
この滅法面白い新たなゾンビ映画の素晴らしさをここで改めて問うておきたい。本作は、たとえ韓国映画ビギナーであっても絶対に楽しめること請け合いなのだから。
本作は韓国で1100万人の動員数を誇った。こうした動員傾向が見られるようにったのは、韓国経済の好景気とともに映画産業へ資金が集まるようになった1990年代から。潤沢な予算で大量動員数を見込む、所謂ブロックバスター作品が製作、公開されるようになった。それは韓国映画が国外市場へどんどん食込むようになる「韓国映画ルネッサンス」時代の到来でもあった。
このルネッサンス期、従来の撮影所システムによらない映画学校出身の才能ある監督たちが続々輩出される。中でも、『ほえる犬は噛まない』(2000年)で長編監督デビューしたポン・ジュノ監督の成功は今更振り返るまでもないだろう。2020年の第92回アカデミー賞で『パラサイト 半地下の家族』(2019年。以下、『パラサイト』)が作品賞にノミネートされたばかりか、まさか受賞までしてしまうとは。韓国映画界だけでなくアジア全域の大快挙だった(第72回カンヌ国際映画祭でもパルム・ドールを受賞)。
ともあれ、『パラサイト』でソン・ガンホ演じる主人公の息子役を演じたチェ・ウシクが、いかにもさりげなく『新感染』に出演しているも本作の大きな注目ポイントだ。『パラサイト』での名演を踏まえているからこそではあるのだが、ちょうど3年先駆けて公開された本作ですでに叙情的でありながら、感情をコントロールすることにも長けた演技を光らせている。
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