ただね、イケメンとそれからもうひとつ、R&Bをもこよなく愛するコラムニストとしては、9月15日にリリースされたテテのEP『Layover』が音楽的にはより刺さってきた。やっぱりアーティストのアルバムを聴くときって、もちろんアルバム内の楽曲だけを聴くのもいいんだけれど、そのアーティストが影響を受けたり、インスピレーションを得た先行アーティストの曲をセットで参考にするのがいい。その方が、アルバムのコンセントをより理解できるし、あるいは何度でも繰り返して聴く愛聴盤になる。
特に男性グループの場合、グループ全体のカラーとは違うソロならではの色合いが滲んでくるから面白い。なるほど、テテって実はこんな曲を聴いていて、こんなアーティストをリスペクトしてるんだなという具合いに。『Layover』では、主にジャズトランペット奏者チェット・ベイカーへのオマージュはあるし、バックトラックとシンガーの関係性を考えてもネオ・ソウル的な雰囲気を十二分に漂わせてくる。総尺が18分も満たないということもあり、ラストトラックを聴き終えたら、またすぐに1stトラックに戻るというループ再生が可能。メインチャートで上位を狙うチャートアクションをあまり気にすることなく、自分のテンポで自分が納得できるトラックを作り込む細やかさも評価すべき。その辺り、耳が肥えたR&Bラヴァーをも魅了する。2023年を代表する名盤になることは間違いない。するとこれも嬉しいリリースが。ぼくの愛聴ナンバー「synergy」のUMIが、「wherever u r(feat.V of BTS)」でテテをフィーチャー。アトランタ出身で日本にルーツを持つ彼女とテテによるケミストリーが今年をひときわメロウに締めくくるなんて。
グクつながりでこのまま続けると、2023年リリースの楽曲としてぼくはどうしても山下達郎さんが7月26日にリリースした「Sync Of Summer」をあげておきたい。この夏色ナンバーを使ったコマーシャルに登場したのがSnow Manの目黒蓮であり、9月21日放送の『めざましテレビ』(フジテレビ)でテテとの対談を果たした。俳優としての才覚もめざましい目黒君とテテの意外な共通点が見つかったりして愉快な対談だった。そして話題にはならなかったけれど、テテは達郎さんをどう聴いているのか、ぼくはひとり気になっている。テテ&めめのデュエットでいつかリリースから40周年の「クリスマス・イブ」を歌うシーズンがきたりしてね。そんな想像をしながら、2023年のときめき総括としたい。
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