BUSAN, SOUTH KOREA - OCTOBER 04: Actor Chow Yun-Fat of Hong Kong attends opening ceremony of the 28th Busan International Film Festival on October 04, 2023 in Busan, South Korea. (Photo by Han Myung-Gu/WireImage)
韓国の釜山国際映画祭が10月4日に開幕した。今年の大目玉は何と言ってもチョウ・ユンファだろう。“亜州影帝”(アジア映画の帝王)の異名を取る彼が「今年のアジア映画人賞」受賞のために出席する。同賞を昨年受賞したトニー・レオンに続き、今年も香港映画俳優が栄誉を受けることになる。
2014年の政府デモ「雨傘革命」以来、香港は未だ混迷の時期にある。香港映画界が強いられている動乱を思えば、こうした栄誉がどれほど価値あるものか。でも香港映画とはそんなにヤワなものでもない。むしろ苦境のときにこそ映画史に残る名作を世に問うてきた歴史の必然性がある。ここでチョウ・ユンファの個人史にも目を向けると、特にここ10年は度肝を抜く話題をいくつか提供している。
例えば2013年。質素な生活を送る彼らしく、10億香港ドルを超える総資産を遺産として全額寄付することが報じられたかと思えば、2017年にはいきなり死亡説のフェイクニュースが流れる。さらに今年7月には新型コロナウイルスに感染し、新作コメディ映画『ワン・モア・チャンス』のプロモーションを一時離脱したこともあった。現在68歳。同世代の俳優たちがすでに引退状態で鳴りを潜めていることを考えると、世界的な知名度を40年以上保つ帝王の威光は、やはり未だに計り知れない。
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