K-board

釜山国際出席のチョウ・ユンファから「ジョン・ウィック」真田広之まで。心動かすアクションスター

■ ドニーかトニーか

 釜山国際映画祭ではチョウ・ユンファの代表作『男たちの挽歌』(1986年)、『グリーン・デスティニー』(2000年)、『ワン・モア・チャンス』の3作品をプログラミングした特別上映が行われるようだが、過去に香港映画の連載コラムを書いていたぼくからするとちょっと物足りない気もする。香港映画がハリウッド映画ばりのスター・システムをフル稼働して最も輝いていた1980年代、所謂“香港ニューウェーブ”の潮流の中、男同士の厚い友情映画(香港映画オタクの間では“パンヤウ(朋友)作品”と呼ぶ)をスクリーンで再映してほしいものである。その意味ではジョン・ウー監督作が含まれているが、欲を言ったらリンゴ・ラム監督の激アツ作品であり、香港版アカデミー賞「香港電影金像奨」最優秀主演男優賞を受賞(第7回)した『友は風の彼方に』(1988年)か。

すこし変り種だと、俊英ソイ・チェン監督の『モンキー・マジック 孫悟空誕生』(2014年)もいい。西遊記の世界でチョウ・ユンファは天界の玉帝を演じ、アーロン・クォック扮する牛魔王を成敗した。なるほど、帝王にはぴったりな役柄だったが、それ以上に異彩を放ったのが孫悟空役のドニー・イェンだった。ブルース・リー以降のカンフー・マスター俳優なら、ドニーかトニーか、である。どちらも詠春拳のマスターであるイップ・マンを演じているが、前者は「イップ・マン」シリーズで孤高の達人技を披露し、後者は巨匠ウォン・カーウァイ監督作『グランド・マスター』(2013年)で華麗なるカンフー美学を体現した。

(R), TM & (C)2023 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.

 個人的にはイップ・マンが憑依し、強靭な精神性にまで深め、高めたドニー脅威のアクションに軍配を上げたい。イップ・マンのイメージが強いドニーだが、「スター・ウォーズ」スピンオフ作品『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016年)では盲目の戦士チアルートを哀切まじりに演じ、現在公開中の『ジョン・ウィック:コンセクエンス』でもまた盲目の殺し屋を熱演している。目が見えずとも、相手の気配を感じた途端にスパパパパンとやっつけてしまう。肉体の衰えも全然感じない。むしろ動作のキレは増している。リアル戦士なドニーが捨て身で戦う姿は必見だ。

【BS12 トゥエルビで日本初放送】中国ドラマ『ロマンスは椿の花のように』あらすじ&見どころ解説!
次のページ : 日本・香港のアクションスターが共演

こんな記事も読まれています

Commentコメント

コメントしてポイントGET!

コメントがまだありません。推し俳優や推し作品について語りましょう!!

この記事の画像  3枚

Writer info

加賀谷健

コラムニスト・音楽企画プロデューサー。クラシック音楽を専門とするプロダクションで...

more

Recommend関連記事

この記事について報告する

Popular人気記事&コンテンツ

Weekly Vote今週の対決

投票する

Pollアンケート

あなたの好きな恋愛ドラマは?

あなたの好きな恋愛ドラマは?
星から来たあなた
コーヒープリンス1号店
よくおごってくれる綺麗なお姉さん
太陽の末裔
美男ですね
マイ・プリンセス
青い海の伝説
ドクターズ~恋する気持ち
麗~花萌ゆる8人の皇子たち
ヒーラー〜最高の恋人〜
私の名前はキム・サムスン
運命のように君を愛してる
宮 −クン− 〜Love in Palace〜
キルミー・ヒールミー
相続者たち
ピノキオ
彼女はキレイだった
シークレット・ガーデン
トッケビ~君がくれた愛しい日々~
アンケートに答える

Official SNS公式SNS

PR Storyいま読みたい記事

BS無料放送ならBS12 トゥエルビ

Popular Tags人気のタグ

韓国ドラマ 韓流 俳優 ラブロマンス 視聴率 中国ドラマ おすすめ 韓国映画 U-NEXT 女優

Pick Upピックアップ