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ドニーが、主演のキアヌ・リーブスと決闘するラストはすごい。夜明けとともに命がけの死闘が繰り広げられる。銃を持って向き合うふたりが、朝焼けに照らされながらそれぞれ映画全体のテーマとなる台詞を分け合うように言う。その瞬間、80年代のあの香港映画的な友愛の精神を感じずにはいられなかった。ドニーは終始サングラスをかけているのだが、もし素顔を見せたなら、これほどの胸アツはない。
同作では他にもドニーと死闘を繰り広げた人物がいる。日本から真田広之がキャスティングされたのだ。支配人として自分のホテルと友を守るため、刀を抜いて全身全霊で戦う。ところがドニーの瞬殺刃には勝てなかった…。ドニーが友情から情けをかけるこの結末、映画の途中からわかってはいたことなのだが、日本が世界に誇る真田広之だってかなり健闘してくれた。
例えば、その若かりし頃。ミシェル・ヨーと共演した『皇家戦士』(1986年)ではラストでかなり激烈なアクション・シーンをヨーとともにくぐり抜ける真田だが、驚くべきことにエンディングまで一言も喋らない。広東語が騒がしい香港アクション俳優に対して、いかにも日本の武士道的な寡黙さを貫いた真田広之。2007年の『ラッシュアワー3』では、ラスボスとしてジャッキー・チェンの前に立ちはだかり、ビルの上から下へ香港仕込みのアクロバティックなアクションを披露した。さらにそこからジョン・ウィック。アクションなら若手よりこうした往年のスターたちに任せておく方が間違いない。
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