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『挑戦者・山下智久』韓国ロケで際立つ表情。ぼくらの山Pは“ドキュメンタリー人間”に変化した!

『挑戦者・山下智久』韓国ロケで際立つ表情。ぼくらの山Pは“ドキュメンタリー人間”に変化した!

■ ぼくにとっての山P

 ルート66。アメリカで東西を横断する有名な旧国道だ。一時期のぼくにとっては、強烈なまでに憧れの風土だった。なぜか。そう、2011年、まだ26歳だった我らが山Pこと山下智久が、この国道を旅したのだ。その様子を捉えた番組『山下智久・ルート66〜たった一人のアメリカ』(日本テレビ、以下、『山下智久・ルート66』)が翌年に放送された。夜中近い放送時間だっただろうか、目をこすりながらテレビ画面から片時も目を離さず、注視し続けた。あぁ、山Pはアメリカにいるんだ。ぼくにとっての山Pは、ルート66の人なんだと頭の中で何度も繰り返していたのを何となく覚えている。

 どうしてそこまで引きつけられたのか。当たり前の話だが、同作がドキュメンタリー映像だったからだ。ひとりのアーティストや俳優を映したドキュメンタリー映像というのはとても特別なものだと思う。映画やドラマ作品のようなフィクションでは感じ取れない空気感が漂ってくる(いやもちろん、ドキュメンタリーでさえカメラが写した虚構の現実ではあるのだが)。例えば山Pがハイウェイの片隅を歩いている一コマを見ただけで、山下智久のリアルを体感した気になってしまう。

 特に山Pの場合は、ドキュメンタリーのカメラが、自分のありのままをどのような視点から捉えているのか意識的なんだと思う。山Pが意識するポイントごとに痕跡みたいなものがあって、見ているぼくらがそれをキャッチする。まるで無言の会話を繰り広げるコミュニケーションのようだった。同じ感覚がおよそ12年を経て再び感じられるとは嬉しい限りだ。今年8月30日からHuluで配信されている『挑戦者・山下智久』は、山下智久の現在を知る恰好の素材であり、前半部で韓国を巡る姿はまさにリアルそのもの。ぼくにとっての山Pが、清々しく更新される気分だ。

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加賀谷健

コラムニスト・音楽企画プロデューサー。クラシック音楽を専門とするプロダクションで...

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