実は仕掛け人がいる。この曲をプロデュースしたのがアンドリュー・ワット。この人が手掛けた近年の最重要曲は、ジャスティン・ビーバーと共作した「Peaches feat.Daniel Ceasar & Giveon」。アンビエントR&Bの新生ギヴィオとダニエル・シーザーをフィーチャーした力作ポップR&Bナンバーとして、2020年の全米チャートでは首位を獲得した。同チャートアクションでは、「Seven(feat.Latto)」もまた初登場で首位を獲得。BTS「Dynamite」での同チャート首位の歴史的快挙を思い出すまでもなく、韓国人ソロアーティストとしては、グループメンバーのJIMINが「Like Crazy」で先に首位に輝いている(4月8日)。たかだか数ヶ月のうちにグクがさらに歴史を更新しようとは、いやはやK-POPの躍進恐るべしである。
さて、冒頭でイギリスのボーカルグループをあげておいたように、ぼくの今年のベスト2ソングは、いずれもジャンル的にはR&Bということになる。これがアメリカ人ではなく、イギリス人と韓国人によるところが粋ではないか。何よりソロシンガーとしてのグクは基本的にはR&B文脈で考えられるべきだろう。
BTSの「Telepathy」など聴いていると、これはもう完全にブラック・ミュージックのビート感、サウンドだなと思える。黒人的な泥臭さを薄め、ポップに仕上げることで、より万人の耳に耐えうるようにはなってはいるのだが、BTSにはそもそもソウルやR&Bの素養やマナーがしっかり根付いている。メンバーがソロになることで、そうしたルーツがより深化されているのだ。だからこそアンドリュー・ワットのプロデュースは満を持しての登場と考えられ、世界のトレンドにうまく歩調を合わせながら、彼がヒットを請け負うことで「Seven(feat.Latto)」のヒット自体が必然的だったと理解できる。
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