本作の主演を務めるオム・ジョンファは、1969年生まれで90年代から活躍するベテラン女優。 近年出演した『私たちのブルース』で再び脚光を浴び、本作のヒットで彼女を知った韓ドラファンも多いかもしれません。実は彼女、「韓国のマドンナ」「韓国歌謡界の女王」と呼ばれ、歌謡界では知らない人がいないほどの超有名歌手でもあります。同時にワールドスターとなったパク・ソジュンの出世作『魔女の恋愛』の相手役も務め、ドラマ界でもその実力が認められいる人物なんです。
そんな彼女が本作では良き妻であり母親、働く一人の凛とした女性を演じ、約6年ぶりにミニドラマへ主演としてカムバック。
ずぶぬれになりながら不倫のショックを吹き飛ばしたり、ランニングで大声を出したり、患者を助けるため屋上から飛び降りたりと、年齢を感じさせない体当たりなオム・ジョンファの演技はそのダイナミックさで笑いと爽快感を与えてくれます。
オム・ジョンファのライバル役として登場するのがミョン・セビン。彼女も90年代にデビューし、1999年映画『純粋』で百想芸術大賞の新人賞を受賞した今年27年目のアラフィフ女優。
劇中ジョンスクの夫の不倫相手、未婚の母を演じ、ジョンスクを忌み嫌い離婚を迫る“悪役”を演じていますが、そう感じるのははじめだけ。次第に彼女の人の良さ、医師としてのプライドが感じられるようになり、味方のいない彼女を応援したくなってしまう場面も。同情と共感を誘う繊細な演技は見事で、オム・ジョンファと対峙するバッチバチの演技は見どころのひとつです。
このアラフィフ女優2人の間でコミカルな姿を見せるのがキム・ビョンチョル。サイコパスやスーパーの社長など幅広い役を演じる名バイプレイヤーとして知られる彼が本作では不倫夫を熱演。美しい女性の間で身勝手にふるまうも、どこか憎めない奇妙な行動に爆笑必至！
天性のダメ男を体現する演技はこの上なく秀逸で、作品に強烈なスパイスを与えてくれます。このアラフィフ俳優3人が届ける、活力ある笑いと涙の演技は一見の価値ありです！
1人の女性、妻、夫、母親、子供とそれぞれの立場で描かれるストーリーも本作の魅力。
ダブルワーカーが増加する中でも、裕福な家庭こそ女性は家、男性は外、という固定概念が残る韓国。キャリアを諦め“専業主婦”として生きる人々にとって、ジョンスクの「自分のために生きる」姿は胸をアツくさせ、カタルシスさえ感じられます。同時に、そんなジョンスクへ想いを寄せるイケメン医師が登場し、最高の浪漫を堪能できるのも魅力です。
ジョンスクの子供イランは高校三年生。勉強、進路のストレス地獄の中、親の不倫を知るという衝撃的な設定。実際、韓国では2組に1組、日本では3組に1組が離婚しており、現実とリンクしたストーリーは他人事とは思えないリアルさがあって、胸の痛むセリフの数々にドキッとさせられることも。
加えて息子のジョンミンの恋愛、自己中炸裂な夫の考え、不倫相手の葛藤も描かれ、各世代へド直球の複合ストーリーは見ているものの共感を引き出し、本作のヒットを生み出しました。
全16話、魅力満載の『医師チャ・ジョンスク』はNetflixにて絶賛配信中！
ずしっと重い作品は疲れてしまった…そんな時、笑って泣ける痛快なヒーリングドラマを堪能してみてはいかがでしょうか。
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