このマチュアな少年性がデュエットを考える上でもかなり重要な視座を与えてくれる。というのも、これまでおびただしい数のデュエットナンバーがリリースされてきたが、その大半が男女の声を重ねたもの。LGBTQ+の時代性に照らして考えると、もはやデュエットは男女だけの特権的なものではない。今の時代に合わせてアップデートされなければならず、そこでVの性差を超越した魅力を導入すると、どうだろう。
仮に男女デュエットだとしても、従来の古典的なスタイルとはまた違う新しい様式美が提案されるんじゃないか。その意味で、昨年の12月30日、Vのバースデーに合わせてドロップされた「wherever u r(feat.V of BTS)」の意義深さと批評性は特筆すべきだ。同性のパートナーを持つUMIが、Vをフューチャリングアーティストとして迎えること。もちろん一聴すれば、2番から期待通り、Vが歌いつなぐ構成ではあるけれど、単なる男女デュエットではない様式美として、現行R&Bアーティストのふたりが今の時代仕様のデュエットナンバーとしてアップデートしている。
しかも2番の歌い出し、V特有の低音ヴォイスがしめやかに響く。これぞ、インマチュアなマチュア感。ネオソウル的な感性を共有し、呼応させてもいる。SNSでUMIが呼びかけたことから、このデュエットが実現した事実もイマドキ。曲作りのやり取りは、すべてテキストで行われたというから驚く。楽曲自体の音色のトレンド性も楽曲製作背景もすべてがイケてる。ぼくみたいなR&Bラバーには、大好きなアーティスト同士が格別の共演を披露してくれたなと素直に喜びつつ、我らがテテことVの客演にこの上ない喜びを感じずにはいられない。
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