ここからは、筆者の期待値を大きく上回った近年の良作をご紹介。次に観る作品選びの参考にどうぞ！
『砂の上にも花は咲く』のチャン・ドンユン、『輝くウォーターメロン～僕らをつなぐ恋うた～』のソル・イナ、『田舎町ダイアリーズ』のチュ・ヨンウと、フレッシュな面々がそろう『オアシス ～君がいたから～』。
民主化運動に揺れる韓国激動の1980年を背景に、すべてを犠牲にしながら生きた男の波乱万丈な日々を描きます。
『奇皇后 〜ふたつの愛 涙の誓い〜』のハン・ヒ監督、『朱蒙(チュモン)』のチョン・ヒョンス作家による、史実をベースとしたノスタルジックな演出、悲痛な運命に翻弄される切ないストーリーに終始心を揺さぶられる一作です。
筆者が思う、同作一番の見どころはチュ・ヨンウの躍進。これまで『トキメク☆君との未来図』『警察授業』と青春や恋愛もので爽やかな姿を披露してきた彼が、同作では卑怯で気弱なお坊ちゃまを好演。良心との狭間で葛藤し、顔をゆがめ声を荒げる演技は新人とは思えない貫禄があり、俳優としての成長に驚かされました。
愛する人を守り抜くドゥハクを演じたチャン・ドンユンの『ノクドゥ伝～花に降る月明り～』『私の彼はキューピッド』の優男とはまた違う、ちょっぴり古臭い“男気”キャラも最高にカッコイイ…！同じ人へ想いを寄せる彼らの切ない恋、複雑な親子関係も、こうしたキャスト陣の熱演により見事に描かれていました。
「待っているのは幸せか不幸か…？」最後まで結末のわからない、反転の続く脚本も相まって、想像以上に楽しませてくれた作品です。
扉の外は別世界だ。扉を開けると、そこには悪鬼がいる。悪鬼に取り憑かれた女と、その悪鬼が見える男が、５種類の神体を取り巻く疑問の死を暴くオカルト・ミステリー。
亡くなった父親の遺品を受け取って、悪鬼に取り憑かれた貧しい生まれのク・サニョン。鬼と神を見ることができる民俗学者ヨム・へサンと出会い、悪鬼に関する真実を追いながら、自分が知っていた世界とは全く違う世界と向き合う物語。出典元：https://www.disneyplus.com/ja-jp/series/revenant/1lq84TkztzHz
憑りつかれたようにすべての役を完ぺきに演じ切るキム・テリ。『二十五、二十一』での繊細な演技が記憶に新しい彼女が、最新作『悪鬼』でホンモノの“憑依演技”を魅せてくれるというので、視聴前から大きな期待を寄せていました。
まず驚いたのは、『キングダム』のキム・ウニ作家によるプロットの完璧さ。ただ“霊”による怖さを視聴者へ与えるのではなく、韓国の民俗学とオカルトを見事に融合させ、物語自体の力でゾクゾク感を与える、綿密な脚本に脱帽。複雑な謎解き要素もあり、観れば観るほどハマっていきました。
もう一つは、別人格を見事に演じ分ける、神経の行き届いたキム・テリの熱演。「ムル（水）…」とつぶやき2リットルのペットボトルを一気に飲み干す、憑りつかれた不気味な姿は“悪鬼”そのもの。と思えば、母や友人を想う優しい平凡な一面も見せ、サニョンの持つ二面性を見事に体現。オーラそのものからガラリと変化する、キム・テリの纏う空気感に圧倒されまくりました…！
実力派が織り成す緊迫感、先の読めない展開、背筋の凍る不気味な演出は期待以上で、余韻まで感じられる、完成度の高い秀作です。
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