1945年、京城。植民地時代の陰鬱なソウルで、生き残りをかけて戦う実業家と人捜しの専門家は、人間の貪欲さが生み出した怪物に立ち向かうことになる。
日本植民地下の1945年、地元の実業家と人探しの名人が、人間兵器の実験台として連れ去られた人々を探し繰り広げられる物語。
『愛の不時着』のスタジオドラゴンが制作、脚本は『浪漫ドクター キム・サブ』のカン・ウンギョン、主演は『梨泰院クラス』のパク・ソジュンとあり、韓ドラファン期待の2023年の目玉作品として大きな注目を集めていました。
しかしながら、その期待とは裏腹に「怪物と植民地という題材に頼りすぎている」「どの要素も中途半端」と本国では厳しい声が見られ、パク・ソジュンが出演するドラマの中で最も低い評価を受けています。
パク・ソジュン、ハン・ソヒの輝くカリスマは変わらず発揮されていますが、没入ポイントが少なく、怪物への違和感も最後まで抜けず、筆者も作品としてのインパクトに欠けていると感じました。当時の朝鮮人の恨(ハン)を巧みに描いた秀逸な作品(映画『マルモイ ことばあつめ』やドラマ『ミスター・サンシャイン』など)が誕生しているだけに、本国でも大きく評価が分かれています。
1989年の忠清南道(チュンチョンナムド)。殴られずに生きることが人生の目標の青年ビョンテが一夜にして番長になり繰り広げられる物語。
あまりの人気から配信プラットフォームのサーバーがダウンしたことで話題を呼んだ『少年時代』。1980年代後半の韓国を舞台に、いじめられっ子から一夜にして地元を牛耳る番長となる青年の日々を描いた青春物語。
『それでも僕らは走り続ける』のイム・シワン、『酒飲みな都会の女たち』のイ・ソンビンが主演を務め劇を牽引していくのですが、役と驚異的なシンクロを魅せる俳優陣の好演に序盤から笑いが止まりません…!
特にイム・シワンは「本当にあのイム・シワンなの?」と疑ってしまうほど、田舎の雰囲気丸出しのビビリな青年を熱演。1泊2日の語学留学(?)をしてマスターしたという忠清南道(チュンチョンナムド)のなまり、ちょっと口ごもった話し方がクセになりすっかり魅了されてしまいます。
主演の2人を除き、周りを固めたのは新人俳優ばかりなのですが、これほどまでに高い完成度を誇る作品は近年でも珍しく、筆者も圧倒されてしまいました。
いまも韓国で社会問題となっている校内暴力に真っ向から立ち向かいメスを入れる勇敢な姿は共感を誘い、演出・脚本の秀逸さも手厳しい本国視聴者から高い評価を受けています。
さらに同作はドラマ完全オリジナルストーリーで、漫画や小説の原作はありません。近年のヒット作はほぼ原作がある中で、「Coupang Play」内の初週比2914%の視聴量で最終回を迎えたという点も、評価すべき点です。
日本ではまだ配信情報がなくあまり注目されていませんが、実はあの『アンナ』を生み出した韓国のプラットフォーム「Coupang Play」が贈る懇親のオリジナルシリーズでもある同作。『熱血司祭』のイ・ミョンウ監督らしい絶妙な笑いと人間模様が醸し出すユーモアにハマること必至の、筆者も推しの秀作です。
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