K-board
急上昇 人気

韓国ファンミーティング、BTSとの交流から『パレード』へ。坂口健太郎は時空を超える……

坂口健太郎の存在感とは

『新聞記者』(2019年)などから日本映画界を担う旗手のひとりとなった藤井道人監督作『パレード』では、死者となった主人公・美奈子(長澤まさみ)がこの世とあの世の狭間を彷徨う。自分の身に何が起こったか判然としない彼女を「現世に未練がある人たち」が集まる場所に連れてくる導き手になるのが坂口扮するアキラ。ここまで彼らはアキラが運転するバンできた。主演ドラマ『Dr.チョコレート』(日本テレビ、2023年)でも坂口とバンの組み合わせは印象深かった。そこには両腕に入れ墨を入れた勝利(横浜流星)など、訳ありな人たちがいるのだが、藤井作品の常連である横浜流星の存在がうまく機能している。

 横浜主演の『ヴィレッジ』(2023年)で藤井監督がモチーフにしたのは能楽だった。能面を手にした横浜が、能楽最大のエッセンスである幽玄を漂わせた凄みはひとりの俳優の演技の極限すれすれの臨界まで到達していた。能は、シテ(主役)とワキ(脇役)にわかれ、ほとんどの演目でこの世あの世を彷徨う亡霊が主人公。シテが演じる亡霊に対して、この世での導き手となる僧侶をワキが務める。藤井監督と横浜の再タッグによってこうした能楽の世界が『パレード』の死者の世界観にも見事に取り入れられている。ここでは、シテもワキも亡霊だが、主人公を誘導する坂口の役どころは、シテ的な役回りだろう。

『サイド バイ サイド』のラストで別の世界に行ってしまったことを思い出すまでもなく、今回もこの世ではない別の世界を生きることになる。それがいかにも自然に移りながら、死者としての不自然さ、違和感みたいな機微まで細やかに表現されている。この世とあの世を彷徨う、より曖昧な存在として難しい役にも関わらず、どうしてこんなにリアリティーがあるのか。さっきまで韓国的と形容していた坂口健太郎の存在感とはそもそもどのように捉えるべきなのか……。

極限のリアリティーにハマる!豪華俳優陣が挑む新感覚ノンストップ・サスペンス『支配種』
次のページ : 能楽的である“異能の人”

こんな記事も読まれています

Commentコメント

コメントしてポイントGET!

コメントがまだありません。推し俳優や推し作品について語りましょう!!

この記事の画像  1枚

Writer info

加賀谷健

コラムニスト・音楽企画プロデューサー。クラシック音楽を専門とするプロダクションで...

more

Recommend関連記事

この記事について報告する

Popular人気記事&コンテンツ

Weekly Vote今週の対決

投票する

Pollアンケート

あなたの好きな恋愛ドラマは?

あなたの好きな恋愛ドラマは?
星から来たあなた
コーヒープリンス1号店
よくおごってくれる綺麗なお姉さん
太陽の末裔
美男ですね
マイ・プリンセス
青い海の伝説
ドクターズ~恋する気持ち
麗~花萌ゆる8人の皇子たち
ヒーラー〜最高の恋人〜
私の名前はキム・サムスン
運命のように君を愛してる
宮 −クン− 〜Love in Palace〜
キルミー・ヒールミー
相続者たち
ピノキオ
彼女はキレイだった
シークレット・ガーデン
トッケビ~君がくれた愛しい日々~
アンケートに答える

Official SNS公式SNS

PR Storyいま読みたい記事

BS無料放送ならBS12 トゥエルビ

Popular Tags人気のタグ

韓国ドラマ 韓流 ラブロマンス 俳優 おすすめ 女優 中国ドラマ 時代劇 2020 K-POP

Pick Upピックアップ