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映画『ゴールデンカムイ』大谷亮平、「今思うと不思議な日々…」心に残る韓国時代を語る

■ 「今思うと不思議な日々」だった韓国時代

(C)中居挙子

――大谷さんが韓国で活動を開始するのが、日本で『冬のソナタ』が流行する(2003年の)直前であることも象徴的です。韓国は昔から優れた映画が製作されている国ですし、最近はBTSによる全米チャート制覇もあり、『冬のソナタ』どころの騒ぎではありません。韓国での生活から20年が経って懐かしく思いますか?

大谷:何だか不思議に思います。K-POPで言えば、今はBTSなどが活躍する時代に変わりましたが、僕が韓国に住んでいたころは、少女時代やKARAの全盛期。彼らと一緒に韓国のバラエティー番組に出演していました。すると、『HEY!HEY!HEY!MUSIC CHAMP』(フジテレビ)などの日本の音楽番組に今から出演してくるからと意気込んで日本に行く彼らを見送ったり(笑)。今、ネットニュースで韓国俳優やアーティストの記事を読むと、昔の仲間たちが頑張っているんだなとしみじみ思います。

――過去なんだけれど、別の世界線があるような。

大谷:そうですね。過去の時点で、実際にそこにいたのだけれど、今思うと不思議な日々でした。

――日韓で共同開催だったFIFAワールドカップ(2002年)が開催された時期でもありましたよね。

大谷:WBCやワールドカップ日韓戦の熱気はすごいものでした。視聴率20%を取るゴールデンの帯ドラマのリハーサルを午前中にしているのですが、もうみんな「早く終わらせるぞ!」と口々に言っていました。急いで撮影を終え、控え室に集まってスタッフ全員で応援しました。僕は一人だけ韓国語で日本を応援する。「取れ、取れ、取れ」を韓国語で「ちゃば、ちゃば、ちゃば」。お前はどっちだよと言われながら(笑)。韓国では、特に日本の野球に対する畏敬の念があり、イチロー選手など相手チームのことも認めていました。

(C)中居挙子

――歴史的な証言ですね(笑)。韓国との縁も含めて、俳優としての今後のビジョンを教えてください。

大谷:40代になり、先のことを考えなければいけないのですが、あまり計画的にもなりたくありません。ルーツである韓国の芸能界での思い出を振り返るとなおさら思いますが、一つ一つがしっかり財産になっているか。どうしても若いときは、こう見られたい、こう評価されたいが優先になる。しかし結局それは残らない。この先さらに年を取って、残るのは自分の価値観や達成感、素直な思いだけだと思います。

そういう長い視点で考えると、誰かの思い、誰かから評価されることは省き、自分の思いを大切したいです。本当にやりたい作品や役にこだわっていきたいです。もちろんやりたいだけではダメですから、自分を磨き続ける必要があります。谷垣もその一つです。そして仕事だけではなく、自分が納得できる、本当にやって良かったなとのちのち思える生き方について考えたいと思います。

【BS12 トゥエルビで日本初放送】中国ドラマ『ロマンスは椿の花のように』あらすじ&見どころ解説!
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加賀谷健

コラムニスト・音楽企画プロデューサー。クラシック音楽を専門とするプロダクションで...

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