第6話で取材先に選ばれたのが町中華だったのも、相葉流のアレンジというか、絶好の目配せだった(相葉は千葉の中華料理店の息子)。優が店主の心を開かせ、信頼を得た縁で、話題の人物に思わぬ独占取材ができた。インタビュー記事がサイトにアップされ、記事を読んだ寛がこんな労いの言葉を投げかける。
「取材者を信頼しないとあんな言葉は出ない。そこがあんたの手柄だ」
この言葉が優の人柄を説明するだけでなく、相葉の俳優像を実にうまく浮き彫りにしている。相葉が演技に誠実に向き合い、何より視聴者(ファン)のことを信頼することで、視聴者は信頼の眼差しを画面に送ることができる。『和田家の男たち』が、相葉の魅力を全力で打ち出した決定的な代表作だと胸を張って言い切れるのは、相葉と視聴者の間に、有機的な信頼関係が生じているからだ。そこに打算はない。優の人となり、キャラ設定の根幹に相葉流の包容力が込められることで、不思議と温かみを感じる素顔を覗かせる。相葉フィールドで、優ワールドを展開する本作は、相葉雅紀による、相葉雅紀のためのドラマだったと思う。
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