ところが秋になってみると秋は秋でやっぱりいい。夏の夜の夢とは言うけれど、秋の夜長は格別に美しい。しかも今年の秋はちょうどいい音楽が9月15日にリリースされた。BTSのVのニューEP『Layover』。本名キム・テヒョンから愛称テテ。このテテ君がドロップしてくれた作品が驚くべき秋の実り名盤なのだ。
まずファーストトラック「Rainy Days」で、アコースティックピアノの打鍵ひとつひとつが粒立ち、ひときわジャジーな雰囲気を充満させる。トラックタイトルから想起されるイメージ通り、秋雨の日々が豊かな情感として伝わる。「Love Me Again」は何度でも鑑賞に耐えうる、芸術の秋にはもってこいのナンバーで、ゆったりとした縦ノリも大きく揺れる横ノリどちらでも許容する。続くリード曲「Slow Dancing」はアルバム内で最もメロディアスなナンバー。サビの軽快さは、例えばジョン・レジェンドの「All She Wanna Do」(2022年リリース)のコーラスを思わせもする。そして「For Us」へ流れると、曲の後半で印象的な8ビートを刻むドラムスが何とも心地よく、やはりジャジーなピアノソロで締めくくられる。
あぁ完璧。この一言に尽きる。今年の秋は『Layover』を聴くために準備していたのかとさえ思う。これは忘れがたい秋の日々になりそうだ。そういや、アース・ウィンド&ファイアーの名曲「September」(1978年リリース)は実は9月を追想する12月の曲。冬になればきっとテテが9月にリリースしたオールドスクールなこの名盤の価値がまたグッと高まる季節になるのかなと。
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