貧困とお金がテーマのNetflix『シスターズ』は現代版『若草物語』（ネタバレあり）

キム・ヒウォン監督はインタビューで本作の魅力を、「みんなが共感できる現実と神秘的な想像が共存する作品」とし、「とても小さくて素朴に始まる話のようだが、その下に巨大で深いものがある」と語っています。

まさにその言葉どおり『若草物語』をミステリー&サスペンス化した上にコンゲームも加え、最終的に魂とお金の関係に迫るストーリーなのです。

◇ストーリー

借金まみれでフィリピンにいる父親のせいで、お金に苦労する母親と三姉妹。建設会社の経理で働くインジュ（キム・ゴウン）は名門芸術学校に通う末の妹イネ（パク・ジフ）の修学旅行費用を父親に会いに行く母親に持ち逃げされ、お金の工面に困っていた。そんな彼女を救ったのが、職場で唯一親しくしていた先輩ファヨン（チュ・ジャヒョン）だった。
ファヨンはインジュにとって姉のような存在だったが、突如、自殺。やがてファヨンが会社から700億ウォン（約70億円）もの大金を横領していたことが発覚、インジュは上層部から秘密裏に消えた金の行方を調べるよう命じられる。

一方、次女でテレビ局の報道記者であるインギョン（ナム・ジヒョン）はソウル市長選候補である弁護士パク・ジェサン（オム・ギジュン）の過去に疑惑を抱き、取材を始めていく。そして三女のイネは富裕層ジェサンの一人娘で同級生ヒョリンと親しくなり、彼女の母ウォン・サンア（オム・ジウォン）から密かに援助を受けていた…。