予告編やあらすじを観て、日本の『バトル・ロワイアル』や『カイジ 人生逆転ゲーム』『今際の国のアリス』とほぼ同じと言われますが、否定は出来ません。実際、本作のファン・ドンヒョク監督も上記作品のファンであることを明かしており、インスピレーションを受けたことを認めています。2008年〜2009年ごろに構想を練り始め、韓国的要素のあるサバイバルゲームを作ったら面白いのでは!?と具体的に話を進めていったそうです。
こうした作品はどうしてもストーリーが類似しやすく、案の定『イカゲーム』も盗作疑惑が浮上しました。本作も例外なく、大筋のストーリーが現在までに作成されたサバイバル系作品の二番煎じであることはある程度事実です。
しかし!大きな違いはゲームの内容を”韓国の伝統的な遊び”としたことです。子供の遊びのため内容も理解しやすく、前述したように世界的に類似した遊びがあるため視聴者を夢中にさせるアイテムとして作中優秀かつ効果的に作用します。今まで韓国では盗作批判を避けるため賞金や命を賭けたサバイバル作品を避ける傾向にありましたが、本作は韓国伝統の遊びを通して韓国ならではのスパイスが多用されており、違った作品として楽しめます。
1話、いや前半30分を観て面白い!と感じた方はおそらくこのセットや世界観にハマった方ではないでしょうか。
予告編でも、広大な砂場で”だるまさんがころんだ”を行っていますが、ゲームを行う場所や小物が昔の時代そっくりに再現されているのだそう(韓国口コミによる)。世代にもよりますが、韓国視聴者にとってこうした仕掛けが子供時代を思い出させ、より一層夢中になれたといいます。筆者は日本人のため共感するには難しい部分もありますが、ゲームの内容や、ズラズラと人が登る階段のセット、校庭の雰囲気など、リアルかつ独特のため作品の世界に一気に引き込まれました。進行役の仮面や衣装、参加者のジャージも統一感があり、よりゾクゾクさせられます。
美術監督のチェ・ギョンソンは、どのシーンでもある意図を持ってセットと作ったと語っています。この作品やゲームに隠された意味は何か?一緒に視聴者が考えてくれることを目指したそう。
主演イ・ジョンジジェは初めてセットを目の当たりにした日、驚き写真をたくさん撮ったほどだったとか。ファンタジーのような空間で生き残りをかけ子供の遊びを通して大人が争う。生と死、本物と偽物を表現した、こうしたセットこそが本作のコンセプトを象徴しているともいえます。更に、俳優陣も怖くなるほどのリアルなセットで撮影したことにより、より良い演技も引き出せたそうです。
こうした完璧すぎるセットや演出も『イカゲーム』ならではの魅力です。
韓国では『イカゲーム』の世界をリアルに感じられるフォトゾーンが梨泰院に期間限定でOPENしていました!SNS上ではドラマから飛び出したようなセットに興奮の声が続々と上がっています。既に終了してしまいましたが、動画で少しでも雰囲気を味わっていただけたら幸いです。
決して華やかなではない、闇を抱え、命懸けのゲームに挑む出演者の姿は本作1番の見どころです。
カメレオンのように変身するベテラン俳優イ・ジョンジェやパク・ヘスが間違いない演技で没入度を高めます。さらに、本作ドラマデビューとなるフレッシュな女優イ・ユミや、モデル出身でこれまた初ドラマであるチョン・ホヨンが、初めてとは思えない卓越した演技力で視聴者を魅了。各キャラクターのシンクロ率も高く、目を奪われるぴったりのキャスティングに驚かされます!
キャスティングに続き、ダイレクトに伝わるメッセージが本作の見どころと言えます。各話の”韓国伝統的な遊び”や”臓器売買””参加者全員が負債者”など、全体のストーリーとして伏線や騙しは少なく”本作で何を伝えたいのか?”がとてもシンプルに伝わって来ます。
ひねりのある難解な作品は一度観ただけでは理解が出来ないこともありますが、本作は全体的に非常にシンプルです。その分、メッセージの重みや深みがストレートに感じられ、不完全燃焼とはなりにくい内容となっています。
※メッセージの内容に関し、ネタバレ回避のため言及を避けます。意見が割れることが少ない程わかりやすいため、是非本編で確認してみてください。
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