SEOUL, SOUTH KOREA - AUGUST 25: South Korean actor Kim Min-Jae attends the press conference for tvN Drama
オランダの美術館で働く学芸員のダリ（パク・ギュヨン）はパーティーに特別招待したVIPを迎えにいき、カムジャタンチェーン店の常務であるムハク（キム・ミンジェ）を会場に案内する。美術の知識が皆無なムハクを不思議に思うダリだったが、実はムハクが招待客とは別人であることが判明！2人は口論になるが、本当のVIPはムハクの養豚業界パーティーを楽しみ、結果パーティーは無事に終了。2人は韓国での再会を約束するが、連絡先を交換するのを忘れたまま別れてしまう。その翌日ダリの父が急逝。ダリは韓国に帰国し父のチョンソン美術館を継ぐことに。しかし父の美術館が赤字続きで膨大な借金が残されていることを知る。一方、帰国したムハクは父から投資していたチョンソン美術館の金を回収するよう命じられる。館長の娘がオランダで出会ったダリだと知ったムハクは、借金が返済されるまでダリを監視すると宣言し彼女についてまわるように。生活力ゼロで芸術を愛するダリと、芸術は分からないが生活力に溢れたムハク。正反対の2人は次第に惹かれあうが、ダリの父の死には不審な点があって…。
本作は美術館を舞台に繰り広げられるロマンチックコメディ。数多くのアート作品を多用していて、とにかく演出がオシャレです。登場人物たちも絵画の中の人物として描かれたりと、物語全体の雰囲気が色鮮やかな色彩の中で紡がれていきます。
主人公の商魂たくましいあきんど男子チン・ムハクを演じるキム・ミンジェは、『ブラームスは好きですか？』で演じた天才ピアニストのパク・ジュニョンとは真逆のキャラクターのムハクを生き生きと演じています。『ブラームスは好きですか？』の中ではピアニストのジュニョンとして、繊細で天才型アーティストとしてデリケートな内面と、超絶技巧を併せ持つ上品さを見せました。実際に素晴らしいピアノ演奏も披露しています。
本作では、お金が大好きでコスパを重視する商売人のムハクとして、学が無く、下品な言葉を多用（でも、キム・ミンジェが演じると下品に見えない…！）。ムハクの豪快なキャラクターに笑わせられます！
本作後に出演した医療ドラマ『浪漫ドクター キム・サブ』シリーズではトルダム病院の末っ子看護師パク・ウンタク役を演じ、ムハクとは全く違った姿を見せ人気を博しました。
ヒロインのキム・ダリを演じるのはパク・ギュヨン。『ロマンスは別冊付録』では甘やかされたワガママお嬢様で、世間知らずの新入社員オ・ジユル役を演じました。さらに『サイコだけど大丈夫』では、主演のキム・スヒョン演じる保護士に恋する看護師ナム・ジュリ役を好演。多数の出演作品でキャリアを重ねています。彼女も演じる役柄やヘアスタイルとメイク、声で全く違う役柄を演じるカメレオン女優ですが、本作のキム・ダリ役ではこれまでに演じた役柄とは違った、透明感溢れるふんわりとしたお嬢様役をキュートに演じています。
キム・ミンジェの振り切った演技に笑わせられる…！
オランダで人違いから運命的な出会いをしたムハクとダリですが、韓国に帰国したダリは、父ナクチョン（チャン・グァン）が残した多額の借金を前に途方に暮れます。父が残したチョンソン美術館の館長となったダリの前にムハクが債権者として現れて、ふたりは偶然の再会を果たします。
債務者ダリと債権者ムハクは、チョンソン美術館を存続させるために協力することになるのですが、頭脳明晰だけれど生活力のないダリと、無知で無学だけど生活力はあるムハクは真逆ながら惹かれあっていきます。そこへ、ダリの幼馴染で彼女に想いを寄せる刑事チュ・ウォンタク（ファン・ヒ）と、ダリの元婚約者で大企業セギグループのチャン・テジン（クォン・ユル）が絡み、ダリを巡って男たちのラブバトルが繰り広げられていきます。
物語はダリとムハクの恋模様を中心に、ウォンタクとのコメディや、父ナクチョンの死に絡む陰謀とサスペンスの要素も加わり、目が離せない展開になっていきます。
全編を通して絵画が隠し絵のように使われている演出もオシャレで、探す楽しみもあります。たくさんの絵画が使われている中で、スペインの画家であるサルバドール・ダリに触れておきます。
ヒロインであるダリの名前や、彼女のカールした前髪は、サルバドール・ダリのカールした髭へのオマージュともとれるのではないでしょうか。タイトルバックにあるダリとカムジャタンの”ダ”の部分には、サルバドール・ダリの作品である「記憶の固執」のグニャリと歪んだ時計がかけられています。さらにムハクが住んでいる家も、だまし絵の巨匠エッシャーの絵のようです。
また、本作の中でダリの心を表す重要なアイテムであるオディロン・ルドン「キュクロプス」は、ダリの心象風景として、彼女の寂しい孤独な心を表現しているようにも思えます。「キュクロプス」は、1つ目巨人のポリュフェモスが水の精霊の娘ガラテアに恋をするギリシア神話を描いた作品。ルドンの作品は人間の内面世界の象徴を描いているといわれています。ダリがこの絵を初めて見た時と、ムハクと見た時の違いを感じ、ポリュフェモスの表情が違って見えるかのようにほっこりとした気持ちにさせられます。
ダリの衣装も見どころ抜群です！ダリが着ている服は彼女のずば抜けたセンスの良さを表し、ムハクの服も彼のキャラクターに合っていてとても個性的。真逆なフタリの衣装の対比も面白いです。
さらに、生活力の無いダリがムハクとウォンタクのために手料理をふるまうシーンでは、2人のやさしさとダリの作った料理のまずさに悶絶する姿が抱腹絶倒もの！
キム・ミンジェの中低音のイケボと本作で魅せた新たな顔、パク・ギュヨンの純粋無垢なお嬢さまの奮闘ぶりは応援せずにはいられません…！ダリとムハク、それぞれの家族との絆や愛にも涙させられ、笑って、泣けて、キュンとして、かわいいふたりの恋に感動するロマンチックコメディです♡
■配信情報
『ダリとカムジャタン～真逆なフタリ～』
アマゾンプライムビデオにて配信中
出演：キム・ミンジェ、パク・ギュヨン、クォン・ユル他
★KBS Worldでも8月9日から放送スタート！
本放送：【水・木】深夜2:00～3:10
再放送：【日】深夜2:50～5:10（2話連続）
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