――主人公の内面を掘り下げることに重点を置くにあたって、女性の心理を描くために、リサーチしたり、何かを参考にしたりしましたか?
◆私が初めて本作の企画に加わった段階から、まさにその点は悩みの種でした。どうしても物語の流れ上、男性の暴力的な視点というのが、映画の中に登場せざるを得なかったのですが、韓国では現在、ジェンダーの対立の問題が大きくなっているので、本作もこの問題に巻き込まれて、ネガティブに受け止められるのではないかという心配があったんです。何せ私が男性なものですから、私が描く女性の姿については、常に検証する必要があると思い、周りの人たちに意見を聞きながら作っていきました。
©2020 SS Animent Inc. & Studio Animal &SBA. All rights reserved.
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◆『整形水』は、劇中に登場する男性キャラクターが女性を見ているという視点で描いているのですが、もしかしたらこれが監督の視点だと思われる可能性もあるわけですよね。私が女性を見ている視点と、劇中のキャラクターが女性を見ている視点は違うのに、観客が混乱するかもしれないと思い、その点には非常に気を配りました。女性のスタッフの意見を聞き、「ちょっと問題があるんじゃないでしょうか」と言われたら修正していくという作業を繰り返して、完成に至りました。そういう努力が実ったのか、映画を観た女性の観客からは、特に問題を指摘されたり、不満を持ったという声は聞かれませんでした。
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◆また、映画で描かれている女性の心理とは違いますが、私は個人的に、小学生の頃と中学生の頃、かなり太っていたんですね。なので、周りから散々からかわれました。私自身はあまりそういうことを気にしない性格だと思っていたんですが、いまだにそれがトラウマになっているようなんです。ふとしたことで、当時のことを思い出してしまい、「今は痩せたけれど、急にまた太ったらどうしよう」とか、「もっと痩せた方がいいんじゃないか」などと不安になってしまうことがあります。男性としても、そういった気持ちはずっと残るものなので、そういう部分も映画の中に反映させました。
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