【K-boardインタビュー】『7番房の奇跡』のイ・ファンギョン監督最新作『偽りの隣人ある諜報員の告白』

まとめ 2021/09/15 17:10

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元大統領・金大中の拉致事件がモチーフ

　
――『偽りの隣人～』を作ったきっかけと、モチーフになっている事件について教えてください。

◆韓国の映画の観客というのは、もちろん一般的な男女のラブストーリーも好きですし、ホラーやスリラーも好きですが、一方で政治的な内容の作品も好んで見る傾向があります。なので、最初はヒューマンドラマにしたいと思い、その中にコメディを盛り込みたいと考え、さらにそれをただ普通に伝えるのではなく、メッセージ性を込めた物語を何か作れないだろうかと思い、今回の企画に着手しました。
　
　

　
　
◆モチーフになったのは、1973年に起きた金大中拉致事件ですが、そのままドキュメンタリー的に映画化するのではなく、非常に興味深い要素もたくさんあったので、その事件を基にしながらも、また別の物語を作ることになりました。
　
　

　
　
――この映画には食事のシーンが多く、観た後にサンギョプサルなどを食べたくなりました。食事のシーンが多いのには、何か意図がありますか？

◆本作の主人公たちは、政治家を監視する盗聴要員です。そこだけを見ると非常におぞましくて怖い印象があると思いますが、できればそんな風に見せたくないという気持ちが強かったんです。そこで、人間の基本的な欲求として、美味しいものを食べる、排泄するといった姿を見せることによって、主人公たちから感じられる人の情というものをナチュラルに見せようと、食事のシーンをふんだんに入れました。トイレのシーンもです（笑）。
　
　