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横浜がはまり役として演じることで二階堂は、これまで疑心暗鬼の殺人ゲームを繰り広げてきたキャラの濃い住人たちよりも、さらに際立ったキャラクターとなっている。ミステリアスさとアクロバティックさを兼ね備えた二階堂の二面性によって、ドラマは展開していくのだ。さらに翔太との探偵バディのブロマンス的要素が加わることで物語全体も大きく動き出す。ホームズとワトソンの関係性を思わせる二人の間柄もロマンスがあって想像力を刺激するのだが、それぞれのキャラクターが繰り出す行動パターンはドラマ展開にとって重要な意味を持っているのだ。
翔太が強行に出ると、必ず何か大きな事件が起こる。そのことは翔太自身も認識しており、だからこそ真相解明に向けて危険を承知で飛びこんでいこうとする。すると、事件が起こるためには翔太の行動がまず先行しなくてはならない。キャラクターは基本的に性格設定に忠実なもので、それが大きな葛藤や事件の引き金をとなることが多い。翔太の場合、後先考えない性格によって強行手段に出ようとする。あるいは事件が起こるためには出なければならない。二階堂なら、匂いに異常に敏感という性格がドラマ展開の重要なスパイスとなる。何かと沙和(西野七瀬)の匂いを気にしていた二階堂は、ある晩鍋を囲みながら翔太に、彼女の匂いが変だと言う。他の人の匂いは気になって仕方がないのに、沙和の匂いだけは全く気にならないというのだ。翔太はそれを「恋」だと言う。思わぬ回答に顔を赤らめる二階堂。だが、確かにそれは遺伝子レベルでの反応なのかもしれない。好きな人の匂いを快く思うのは、遺伝子が合った相手である証拠だからだ。こうして二階堂もまた性格設定に忠実であることから、意外な展開を生んでいくことになる。
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