韓国ドラマはツンデレの宝庫！ツンデレ好きにはたまらない環境です。
たくさんありすぎてどれを取り上げるか悩みますが、
私のお気に入りのツンデレ男子が出てくるドラマを
いくつかピックアップしてご紹介します。
『家門の栄光』は、伝統と家門を守り続ける宗家の孫たち３兄弟を中心に、
波乱の愛と家族のあるべき姿を、時にコミカルに、
時にシリアスに見せていく感動の名作ですが、中でも最大の見どころは、
宗家の孫娘と成金息子の波乱含みの愛の物語でした。
愛なんて…と軽んじていた仕事のできる男が愛に出会って、
自分と必死で戦わなければならないほどのめりこんでしまう、
というパターンが好きなので、まさにこのドラマはツボでした。
パク・シフ演じるイ・ガンソクは、
仕事においては不遜なくらいにそつがなくて情け容赦がないのに、
両親にとっては孝行息子で、妹には頼りがいのある兄として優しく、
適度に女遊びもしていそうでありながら、
実は女には目もくれない…という、男性の魅力をすべて詰め込んだような男です。
宗家の孫娘に契約恋愛を持ちかけるときも
「正直に言おう。女を愛する余裕はない。僕にとって、女は飾りに過ぎない。本気の付き合いは望みませせん」
と言い放ってしまうし、
「俺を刺激するな」というようなきざなセリフも繰り出して、
とにかく鋭い刃物のようにとがっていたのに、愛が成就してからはデレデレ状態へ。
甘えたり、ほおが緩んだり、あんなにツンツンしていたあなたはどこへ行ったの？
と思うくらいに愛によって変わっていきました。
このツンデレ愛に十二分に萌えさせてもらい、
終盤は感動に打ち震えるという、素晴らしいドラマでした。
『百年の花嫁』は、財閥家に百年前から伝わる
呪われた伝説を巡るファンタジー・ラブストーリーです。
このドラマでは、イ・ホンギ演じる韓国最大の財閥家の後継者が、
シックで冷たいオレサマ御曹司でかっこいいことこの上なかったです。
生意気なドSっぷりが炸裂していて、そんな彼が、
偽の婚約者とは知らずにヒロインに惹かれていくのですが、
突拍子もない行動を取るヒロインに怒ったり振り回されたりするシーンは
思わず顔がニマニマしてしまうくらい楽しくて、ツンデレ好きにはたまりません。
胸キュンと切なさもたっぷり混ざり合っていて、
やっぱり韓国ドラマはこうでなくっちゃね～と思わせてくれる、
大いにハマれるドラマです。
現代女性がタイムスリップしてしまい、
高麗時代の王位争いに巻き込まれていくファンタジーロマンス時代劇。
ここで第4皇子を演じたイ・ジュンギの孤高な感じがハンパありませんでした。
顔に傷があるがゆえに疎まれ、親の愛も受けられず、
狼王子と呼ばれてしまうほどとげとげしく生きていた男。
クールを装いながらも心は激しく傷ついていて、
なんと切なく孤独なのか～と女心をさらいます。
そんな彼がヒロインに出会い一途な愛を貫いていく姿がもう乙女のロマンでした。
ツンデレならぬツンツンなのですが、１話のラストで馬に乗ったまま
ヒロインを抱き上げて馬に乗せるシーンとか、
そのあとの突き放しっぷりとかにやりと笑って去っていくくだりなんて、
その冷たさがたまらん～という感じ。
ヒロインに向かって「二度とおれの前に現れるな」とか言ってたくせに
「お前は俺のものだ」を連発するようになりますし、
この悲壮感、孤独感、切実感がすごく良くて無茶苦茶かっこいいです。
兄弟間で繰り広げられる血みどろの権力争いがもの悲しくて、
愛し合っているのに溝が生まれてしまったり、
ヒロインが歴史を知っていたがゆえに起きてしまう悲劇もあり、
全体にもののあわれを感じさせる余韻の残るドラマになっています。
『純情に惚れる』は、心臓移植によって人生を生き直すことになる男と、
ドナーの恋人とが繰り広げる、チャーミングでハートウォーミングなラブロマンス。
『イルタ・スキャンダル～恋は特訓コースで～』で大ブレイクしたチョン・ギョンホが、
心臓に持病を抱え、冷酷非情に生きてきた男に扮しているのですが、
心の温かいドナーの心臓を移植されたことで、新たな感情が生まれ、
ドナーの婚約者だったヒロインを愛するようになっていきます。
冷え冷えした敵対関係だったのに、
何故かヒロインを見ると胸がドキドキしてしまい、
オレはどうなってしまったんだ～と激しく悩んで行くんですね。
序盤の冷酷さが嘘のように、愛にグダグダになって、
彼女の一挙一動に一喜一憂する姿が可愛くて、
甘さやユーモアを演じ分けるセンスのいい彼の演技に何度も胸キュンになりました。
それまでの自分を反省し、ヒロインに恥ずかしくない、
まっとうな良い人間に生まれ変わろうとする主人公の精神的成長にほっこり感動させられる、
愛すべき素敵なドラマです。
『１％の奇跡』は、カン・ドンウォンのキュートな魅力が炸裂している、
心温まるチャーミングなホームドラマです。
カン・ドンウォン演じる気難し屋の財閥の御曹子と
キム・ジョンファ扮する善良で真っ直ぐな女教師。
最悪の出会い方をした２人が会うたびに口ゲンカを繰り返すうちに、
お互いかけがえのない相手になっていきます。
横暴でおこりんぼうのカン・ドンウォンが愛に目覚めて
どんどんかわいくなっていくさまには、思わず頬がゆるんでしまうでしょう。
健全で明るい中に、ホンワカとした人間愛が垣間見え、
見るものを幸せな気持ちにしてくれる作品です。
『シークレット・ガーデン』は、『ザ・グローリー～輝かしき復讐～』の
キム・ウンスク脚本家の代表作の一つで、
とっても素敵なロマンチック・ラブコメディーです。
デパートのCEOとスタントウーマン。
全然違う世界に暮らしていた２人が出会い、
なんだかんだいいながらも思いを寄せていくというラブコメ王道の展開ですが、
途中で男女の魂が入れ替わってしまうという、ちょっとマジカルな仕掛けが入ることによって、
より魅力的なラブコメディになっています。
ヒョンビンが演じるキャラクターは、スキがなくて無礼なところもありますが、
変なところでムキになったりして、笑えるところのある生意気男です。
そんな彼がクールな表情を変えずに、いくつもの胸キュン場面を生み出す手腕にご注目。
結婚は企業同士のM&Aだと言ってみたり、
若くてグラマーな女性が好きだったり、俗っぽさのあるリアリストだったのに、
そんな現実主義の男があんなにも変わるのかというギャップに愛の奇跡を感じます。
見終わってふんわりとした感動に包まれる極上のロマンチックラブコメディーです。
『高潔な君』は、オレさま御曹司と獣医のヒロインが繰り広げるラブコメディー。
ソンフン演じるオレさま御曹司は、容姿端麗、頭脳優秀、
豊富な財力と、完璧で隙のない若きＣＥＯです。
こんなに条件揃っていたらおのずとオレ様になりますわね。
自分を助けてくれた獣医の女性相手に最初は丁々発止を繰り広げるのですが、
やがて見合いから逃れるために契約恋愛を提案し、彼女相手にツンデレを発揮していきます。
このソンフンのまあ～かっこいいこと。鋭い眼差しにダンディーな色気、
水泳で培われた逆三角形の体型がまたセクシーで、
張りのある厚い胸板も素敵！顔からも身体からも色気がダダ漏れで、
‘覇王色気’ と呼ばれるガンフンにぴったりです。
そんな彼が、完璧で隙のない不遜で傲慢なクール男子を演じているのですが、
不機嫌そうな顔が、ヒロインの一挙一動でふっと緩んだり、
独占欲が強いので嫉妬でイラっとしたり、
「俺の許可なくどこへも行くな」「俺の許可なくケガをするな」という、
出たー！というオレさま御曹司の定番セリフを繰り出したりして、
もうキュンキュンです（笑）。
地味でさえない女子高生がメイクの力でとびっきりの美少女に変身して
二人のイケメンと三角関係を繰り広げていく、
大人気ウェブマンガを原作にしたロマンチックラブコメディーです。
このヒロインを巡っては二人のイケメンが恋のさや当てを繰り広げるのですが、
そのどちらもがツンデレという珍しいパターンでした。
たいていはツンデレ男子とソフトな癒し系男子という感じに対比させるのですけどね。
でもツンデレ好きとしては2人ツンデレは嬉しい展開でした。
チャウヌの、クールだけど、ヒロインにだけは優しくなるツンデレぶりはもちろんのこと、
二番手男子を演じる新鋭ファン・イニョプの、
一見不良っぽく見せながら実は情が深いというナイトのような
すこぶるいい男ぶりにもかなり乙女心をかっさらわれます。
この二人が時に爆笑レベルの張り合いを繰り広げたり、
かわいい嫉妬のしあいもあったり見ていてキュンキュンします！
まだまだありますが、とにかく、
普段クールなすましたキャラが冷静さを欠いて崩れてしまうギャップに
愛の力を感じるので心惹かれるのかもしれません。
御曹司とツンデレ男子ドラマはこれからも量産されていってほしいものです。
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田代親世
韓流番組のMC、ドラマ・ミュージカル解説をはじめ、
韓流イベントの司会など、韓国エンタメナビゲートの第一人者。
『韓国ドラマが教えてくれる心が強くなる４０の言葉』（中経文庫）『今日も韓国ミュージカル日和 ♪』（双葉社）など著書多数。
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