急激な人口増加を抑えるために、1979~2014年まで続いた中国の一人っ子政策。
例外を認められることはあっても、主に都市部では「一人しか子どもを生んではならない」とされる政策で、違反すると重い罰金や厳しい罰則が科されていました。
例外というのは、両親が共に一人っ子である場合や、第一子が非遺伝性の身体障がいを持つ場合などだったそうです。
そして、現代でも家庭内の序列は男子が尊重されるという中国では、当時、第一子が女子だった場合は、一人っ子政策をすり抜けてでも、もう一人、男子をもうけたいと望む家庭は少なくなかったのだとか。
『シスター 夏のわかれ道』のイン・ルオシン監督と、ヨウ・シャオイン脚本家は、共に1986年生まれで、同時代を生きてきた新鋭の女性作家2人が、揺れ動く“今”の中国社会に鋭く切り込み、本作を作り上げました。
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イン・ルオシン監督
本作の主人公、アン・ランは、まさに一人っ子政策に翻弄されている女性です。
望まれずに生まれた彼女は、男子を切望する親から、例外規定だと認められるように障がいがあるふりをするよう強要されますが、納得できず、早くに親元を離れて自立します。
学費も生活費も自分で稼ぎ、死ぬ思いで勉強し、医師を目指すアン・ラン。
ところが、ずっと疎遠だった両親が事故で亡くなり、会ったこともなかった幼い弟と対面したアン・ランは、弟を育てなさいと親戚一同から押し付けられるのです。
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アン・ランの人生が不憫で不憫で、見ているだけで悔しさがこみ上げてきます。
待望の長男として愛情をたっぷり注がれてきた弟のズーハンと比べて、女子に生まれたというだけで、これほどまでに差別されるものなのか……。
看護師として仕事に邁進しながら猛勉強し、ようやく大学院に進学して医師への道を歩もうという矢先、突然、弟を育てろと言われたアン・ランは、人生設計を狂わせられるわけにはいかないと、弟を養子に出すことにするのですが、伯母のアン・ロンロンからは水をぶっかけられ罵倒されるのです。
でも、そんな伯母にも、弟のために自分の人生を諦めた過去がありました。
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