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【90年代が舞台の青春群像劇】人生で一度は見ておきたい『エドワード・ヤンの恋愛時代』

台湾ニューウェイブの旗手、エドワード・ヤン監督作

 
エドワード・ヤン(楊徳昌)監督は、1947年11月6日に中国・上海で生まれました。2007年6月29日、わずか59歳という若さで他界したヤン監督。
 
 

Edward Yang (Photo by Jean Baptiste Lacroix/WireImage)

 
アン・リー監督(『グリーン・デスティニー』『ブロークバック・マウンテン』)、ツァイ・ミンリャン監督(『ふたつの時、ふたりの時間』『郊遊<ピクニック>』)らと共に、台湾ニューウェイブの旗手と呼ばれたエドワード・ヤン監督。
そのヤン監督による『エドワード・ヤンの恋愛時代』は、急速に高度成長を遂げた1990年代の台湾を舞台に、裕福なエリート階級に属しながらも、どこか心に空虚感の広がる若者たちが、それぞれ人生の転機を迎える二日半という短い時間を凝縮して描いています。

画面の雰囲気は、登場人物のヘアスタイルやファッション、乗っている車などから、日本のバブル時代のトレンディドラマのようなイメージが感じられました。
 
 

©Kailidoscope Pictures

 
 
大学で同級生だった男女が、それぞれの仕事に就き、はたから見たらうらやましいような生活を送っているのですが、友情だけで結ばれていた学生時代とは異なり、お互いに対する思いや、仕事上のぶつかり合いなどから、彼女ら・彼らの間で溝が生まれ始めます。
そこに、将来を見据えた恋愛関係、家族関係の悩みも挟まれ、いら立ちや虚しさを募らせる様子が痛いくらい伝わってきます。

コミカルな描写もありつつ、登場人物たちがどのような決断をするのか、また彼女たちの関係の行方も気になり、見どころの多い作品だと感じました。

権利問題などから、近年なかなか上映できなかったという『エドワード・ヤンの恋愛時代』。
今回、第35回東京国際映画祭を取材するにあたって、映画館のスクリーンで観ることができるという貴重な機会に恵まれ、とても幸運でした。
 
 

極限のリアリティーにハマる!豪華俳優陣が挑む新感覚ノンストップ・サスペンス『支配種』
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清水久美子 Kumiko Shimizu

メーカーOL、洋楽誌アシスタント、パソコン誌編集を経てフリーライターに。様々な雑誌...

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