2010年に中国で公開された映画『唐山大地震』は、実際に起きた1976年の中国・唐山大地震をモチーフに、被災し生き別れた母と子の32年の人生を追いかける感動のヒューマンドラマ。40万人以上の死傷者を出した大地震の恐ろしさとともに、被災者たちの過酷な運命と家族の絆を描いた作品です。
監督は、『女帝(エンペラー)』『戦場のレクイエム』などを手掛けたフォン・シャオガン。母役はジャッキー・チェン主演作『レイルロード・タイガー』などに出演しているシュイ・ファンが務め、地震によって家族を失った女性の生き様を熱演しています。娘役を演じたチャン・ジンチューは、この映画で第47回金馬奨最優秀助演女優賞にノミネートされ、以降多くの作品で活躍。ハリウッド映画にも出演しています。
1976年、中国河北省唐山市で暮らすファン家は両親と双子の姉弟ドン、ダーの4人家族。平凡だけれど幸せな日々を送っていた彼らを突如、大地震が襲います。自分をかばい建物の下敷きとなった夫ダーチアン(チャン・グォチアン)を前に泣き崩れる妻ユェンニー(シュイ・ファン)。大きな瓦礫の下にいるドンとダーが発見されたのもつかの間、「二人同時に助けることはできない」と言われ残酷にも選択を迫られてしまいます。母は葛藤の末に息子ダーを選び、片腕を失ったダーとともに生きて行くのでした。一方、遺体置き場で目を覚ましたドン。深く心に傷を負ったドンは革命軍に救助され、家族に再会することなく優しい養父母に引き取られ成長しますが…。
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