本作で主人公の則天武后を演じたのは、中国で最高レベルの国家第一級演員に認定されている俳優リウ・シャオチン。
1955年生まれの彼女は、本作の撮影当時は40歳。しかし、則天武后が後宮入りした10代の頃から晩年の80代までを1人で演じきり、視聴者を驚かせました。
実際のところ、さすがに10代前半というのは苦しい気もしましたが、20代と言われても全く違和感のない姿に驚かされます。
そんな彼女が演じた則天武后は、太宗の寵愛を失い侍女まで落ちてしまいます。通常なら再び浮上するのは難しいと思われる状況を、果たして武媚娘(則天武后)はどのように覆していくのか。陰謀渦巻く王宮の世界に注目です。
ちなみに、そんな波瀾万丈な則天武后を演じたリウ・シャオチンは、2011年の「武則天 秘史」でも則天武后(中年期)を演じています。
ふたつの作品で彼女の演じる則天武后がどう変わっているのか、変化を比較してみても面白いかもしれません。
本作では、序盤に武媚娘への嫉妬渦巻く後宮の姿が描かれていましたが、そんな中で唯一の癒しだったのが、リー・ジエンチュン演じる徐充容でした。
生後5ヶ月で話し始めたという逸話を持つ彼女は、その聡明さから太宗に寵愛されます。
そんな彼女は、本来はライバル的立ち位置にいるはずの武媚娘にも寛容で、「容色で寵愛を受けてもいつか容色は衰える」とアドバイスをしてくれます。そして文学館で知識を得るように、という具体的なアドバイスも。
さらにすごいのは、自身も側室でありながら、太宗が武媚娘に会わない理由を知った後、その内容を武媚娘に告げるところ。正々堂々とした姿勢がかっこよく、このシーンだけでも好きになってしまいます。
そして皇帝の寵愛を失った女たちの行く末を武媚娘に直接見せ、御前侍女になるよう勧める徐充容の人間性には魅せられるばかりです。
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