そんな社会現象になった作品の脚本を手掛け、さらにヒョンビンを抜擢したキム・ドウさんにインタビューしました。
「ドラマ『アイルランド』を見てこの人はいいなと思いました。落ち着いた印象で新人なのに演技が安定していた。で、実際会ってみて、その場で惚れ込みました。原作ではジノンは32歳だったのですが、ぜひ彼を使いたくてあえて年下に設定したのです。でも、起用には反対の声が多かった。この時期ちょうどスター級のある俳優がドラマに出たがっていたこともあって、局としてはまだまだ知名度が低いヒョンビンよりそちらを推してきたんです。でも、ヒョンビンをイメージして話が進んでいたので突っぱねました。私は外部の人間だからまだしも、当時まだ局の社員だったプロデューサーは圧力の中でその意思を通すのは大変だったと思います」
その期待に応えるように、ヒョンビンは熱心に役作りに取り組みました。
Actor Hyun Bin from South Korea attends during a
新人ながら脚本に納得がいかないときはドウさんに相談してきたといいます。
「同じ年頃の俳優と比べると彼はとても思慮深く内向的な性格。それなのに突然電話をしてきて、サムスンと元の彼女、ヒジンの間でどっちつかずのジノンが悪役のように思えるんですがどうしたらいいでしょうと聞いて来ました」
「また、ヒジンに別れを告げるシーンでジノンが泣くと言う脚本でしたが、ヒョンビンは心を決めたら自分だったら泣かないと思うと言ってきて、その意見を尊重しました。まだ若いのに自分の意見をきちんと伝えて役作りに妥協せず取り組む姿勢を見せてくれました」
本作で一気にスターダムにのったヒョンビンだが、撮影前にあったときと撮影の最後でも、「礼儀正しさや真面目さは全く変わっていませんでした」とドウさんは語り、ヒョンビンの魅力について、3つの言葉で表現してくれました。
「秀麗、端正、善良。ただしそれが時と場合によってプラスに働くとばかり限らない。それをどう克服していくかが課題ですね」
07年にこう発言していたドウさんですが、現在の活躍ぶりを見たらその課題は見事にクリアされたと言えそうです。
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